作業手袋で労災事故を減らす!愛知の手袋のソムリエ

労働災害情報メールマガジン 2025年12月号

おすすめ記事



編集・発行: 株式会社扶双 手袋のソムリエ 労働災害情報メールマガジン編集部

発行日: 2025年12月18日


目次

師走に入り、寒さも本格化してまいりました。今号では、年末特有の「慌ただしさ」に起因する事故や、冬季に急増する転倒災害への対策を中心にお届けします。


1. 労働災害発生状況と動向(11月の振り返りと12月の傾向)

年末に向けて業務量が増加するこの時期は、労働災害のリスクが高まる傾向にあります。

【11月の発生状況の傾向】

厚生労働省の統計や速報データ(2025年11月分)の動向を見ると、以下の傾向が見受けられます。

  • 陸上貨物運送事業: 日没が早まった影響により、夕暮れ時(16時〜17時台)の荷役作業中の事故や交通事故が散見されました。

  • 建設業・製造業: 年末の工期短縮や増産に伴う「無理な作業工程」に起因すると見られる、重機との接触や機械への巻き込まれ事故が発生しています。

【12月に警戒すべきポイント】

過去の統計データに基づくと、12月は以下の災害が急増する月です。

  • 「墜落・転落」: 大掃除や設備メンテナンスなど、普段行わない高所作業での事故。

  • 「転倒」: 降雪・路面凍結による屋外での転倒。

  • 「交通事故」: 師走の交通量増加と積雪・凍結路面によるスリップ事故。

(参照元:厚生労働省 労働災害発生状況速報


2. 注目すべき労働災害事故事例の深掘り

前月(11月)に発生した事例の中から、特に教訓とすべきケースを解説します。

※事例は実際に発生しやすい典型的なケースを基に構成しています。

事例①:メンテナンス中の機械巻き込まれ

  • 発生時期: 11月中旬

  • 業種: 食品製造業

  • 事故概要: 製造ラインの清掃作業中、コンベヤーの隙間に落ちた原材料を取ろうとして手を伸ばしたところ、稼働していたローラーに手袋ごと巻き込まれ、重傷を負った。

  • 発生原因の分析:

    • 非定常作業のルール不徹底: 清掃時は「運転停止」が原則だが、効率を優先して稼働させたまま作業を行った。

    • 手袋の選定ミス: 回転体に巻き込まれやすいタイプの手袋を着用していた可能性がある。

  • 再発防止策:

    • 「止める・呼ぶ・待つ」の徹底: トラブル処置や清掃時は必ず電源を切り、操作盤に「作業中」の札を掲示(ロックアウト・タグアウト)する。

    • 回転体作業での手袋禁止: 巻き込まれリスクのある箇所では手袋の使用を禁止するか、巻き込まれても切れやすい素材のものを選定する。

事例②:夕暮れ時の構内交通事故

  • 発生時期: 11月下旬(16時45分頃)

  • 業種: 倉庫業

  • 事故概要: 構内でフォークリフトが後退した際、歩行中の作業員と接触した。現場は薄暗く、作業員は黒っぽい服を着用していたため発見が遅れた。

  • 発生原因の分析:

    • 早期点灯の未実施: 日没が早い時期にもかかわらず、照明やヘッドライトの点灯が遅れていた。

    • 視認性の低下: 歩行者が目立たない服装で、死角に入っていた。

  • 再発防止策:

    • 「16時ライトオン」運動: 冬季は午後4時を目安に早めのライト点灯をルール化する。

    • 高視認性衣服の着用: 作業員は反射材付きのベストや明るい色のウェアを着用し、「見られる安全」を確保する。

(参照元:職場のあんぜんサイト:労働災害事例


3. ヒヤリハット事例から学ぶ

冬の入り口であるこの時期特有の「ヒヤリハット」事例です。

事例①:濡れ落ち葉でのスリップ

  • 状況: 雨上がりの朝、工場の裏口を歩行中、濡れた落ち葉を踏んで足が大きく滑り、転倒しそうになった。

  • 教訓: 濡れた落ち葉やマンホールの蓋は、氷の上と同じくらい滑りやすくなります。敷地内の清掃(落ち葉拾い)を徹底するとともに、歩行時は足元をよく確認しましょう。

事例②:暖房器具近くでのボヤ

  • 状況: 休憩室で電気ストーブを使用していた際、近くに置いていた防寒着が熱源に接触し、焦げ臭いにおいがして慌てて離した。

  • 教訓: 冬場は乾燥しており、着衣着火のリスクが高まります。暖房器具の周囲には可燃物を置かない、「離れるときは必ず消す」を徹底してください。

(参照元:職場のあんぜんサイト:ヒヤリ・ハット事例集


4. 今月の安全対策テーマ:「年末年始無災害運動」と冬季の転倒防止

12月1日から翌年1月15日までは、中央労働災害防止協会が主唱する**「年末年始無災害運動」**の期間です。

テーマ1:年末年始無災害運動の実践

今年の年末は、以下のスローガン(例)を意識して活動しましょう。

「基本に戻って安全確認 みんなで築く無災害」

【具体的なアクション】

  • 非定常作業の洗い出し: 大掃除、棚卸し、機械のメンテナンスなど、年末特有の作業におけるリスクを事前に洗い出し、手順書を確認してください。

  • 「急ぎ」の心理をコントロール: 「年内に終わらせたい」という焦りが不安全行動を招きます。朝礼等で「安全最優先」を毎日呼びかけてください。

テーマ2:STOP!冬季の転倒災害

冬の労働災害で最も多いのが「転倒」です。

  • ハード面の対策: 出入り口への吸水マット設置、凍結箇所のマップ化と融雪剤の散布。

  • ソフト面の対策: 「ポケットハンド(ポケットに手を入れて歩くこと)」の禁止徹底。転倒時に手が出せず、頭部を強打する重大事故につながります。

  • 装備の対策: 滑りにくい靴底(耐滑ソール)の作業靴への切り替えを検討してください。

(参照元:厚生労働省 職場のあんぜんサイト:転倒災害防止


5. 労働災害防止のためのセミナー・関連情報

  • 令和7年度 冬の労災をなくそう運動(各労働局)

  • 「はしご・脚立」の安全な使い方(動画)

    • 年末の大掃除で多用される「はしご・脚立」からの転落事故を防ぐためのポイントをまとめた動画です。作業前の安全教育にご活用ください。

    • URL: 職場のあんぜんサイト 安全衛生教材


6. 編集後記

今月も『労働災害情報メールマガジン』をお読みいただきありがとうございます。

2025年も残すところあとわずかとなりました。1年を振り返ると、安全対策が進んだ点もあれば、まだ課題が残る点もあるかと思います。この時期は「終わり良ければ総て良し」という言葉もありますが、安全に関しては「毎日が本番」です。

年末の慌ただしさに流されず、一つひとつの作業を丁寧に、安全に行うことが、ご自身とご家族、そして会社の仲間を守ることにつながります。

皆様の職場が、無事故・無災害で明るい新年を迎えられますよう、心よりお祈り申し上げます。

本年も本メルマガをご愛読いただき、誠にありがとうございました。来年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。


編集・発行: 株式会社扶双 手袋のソムリエ 労働災害情報メールマガジン編集部


お問い合わせ

会社名 株式会社 扶双
住所 〒456-0053
愛知県名古屋市熱田区
一番二丁目51番地11号
受付時間 10:00~17:00

コメントを残す

あなたの手袋のソムリエ

名前 ㈱扶双ののりねえ
住まい 愛知県

Profile

あなたの手袋のソムリエ ㈱扶双の江村典子です。

なんで、道路のわきに、軍手が落ちているか知っていますか?トラックの燃料キャップが汚れないように、キャップに軍手をかぶせているのが、落ちるからなんですよ。

あなたを魅惑の手袋ワールドにおつれします!

search envelope heart star user close search-plus home clock update edit share-square chevron-left chevron-right leaf exclamation-triangle calendar comment thumb-tack link navicon aside angle-double-up angle-double-down angle-up angle-down star-half status image gallery music video category tag chat quote googleplus facebook instagram twitter rss