株式会社扶双の「労働災害情報メールマガジン」編集部です。
新しい年の始まりである1月は、長期休暇明けの「心身の緩み」と、厳寒期の「凍結・健康リスク」が重なる時期です。気持ちを新たに、安全なスタートを切るための情報をお届けします。
編集・発行: 株式会社扶双 手袋のソムリエ 労働災害情報メールマガジン編集部
発行日: 2026年1月28日
明けましておめでとうございます。本年も皆様の職場の「ご安全」を心よりお祈り申し上げます。
2026年のスタートとなる今号では、正月休み明けの業務再開時に潜むリスクや、厳寒期特有の健康管理・路面凍結対策について特集します。
【前月(12月)の振り返り】
昨年末は、例年通り「師走の繁忙」に伴う事故が散見されました。特に、物流・運送業における**「荷役作業中の転落」や、製造業における大掃除・メンテナンス中の「非定常作業災害(はさまれ・巻き込まれ)」**が多く報告されています。
【1月(今月)の警戒ポイント】
1月は、長期連休明けによる**「作業手順の忘却」「勘の鈍り」**と、一年で最も寒くなる気候条件が重なります。
始業時の事故: 休み明け初日の機械操作ミスや、確認不足による接触事故。
転倒災害のピーク: 1月〜2月は、積雪や路面凍結により、年間で最も転倒災害が発生しやすい時期です。出勤・退勤時の通路や駐車場での転倒が急増します。
健康起因の事故: 低温環境下での作業による血圧上昇(ヒートショック等)や、身体が縮こまることによる反応遅れに注意が必要です。
(参照元:厚生労働省 労働災害発生状況速報)
休み明けや冬季特有の要因が絡んだ、教訓とすべき事例をご紹介します。
発生時期: 1月上旬(連休明け初日)
業種: 金属加工業
事故概要: 年始の始業前点検で、動きが悪かったプレス機の金型を調整しようとした際、完全に電源が遮断されておらず、誤ってフットスイッチに触れて機械が作動。指を挟まれ切断した。
発生原因の分析:
「慣れ」の喪失: 長期休暇により、安全手順への意識が一時的に低下していた。
機械の「冷え」: 冬場の低温で油圧機器等の動きが鈍く、いつもと違う挙動をしたため、焦って手を出してしまった。
再発防止策:
休み明けの「再教育」: 年始初日は作業前に必ず安全ミーティングを行い、基本手順(特にロックアウト・タグアウト)を再確認する。
暖気運転の徹底: 機械も「準備運動」が必要です。低温時は十分に暖気運転を行い、挙動が安定してから作業に入る。
発生時期: 1月上旬
業種: 建設業(事務所および現場事務所)
事故概要: 積雪があったため、現場事務所の屋根の雪下ろしを行っていた作業員が、足を滑らせて約3メートル下の地面に転落し、骨折した。命綱(墜落制止用器具)は使用していなかった。
発生原因の分析:
安全設備の欠如: 短時間の作業と考え、親綱や命綱を設置・使用していなかった。
足元の環境: 屋根上が凍結しており、非常に滑りやすくなっていた。
再発防止策:
原則「上がらない」: 可能であれば地上から雪を下ろす道具を使用する。
高所作業ルールの徹底: やむを得ず屋根に上がる場合は、低層であっても必ず墜落制止用器具を使用し、複数人で作業(監視員を配置)する。
(参照元:職場のあんぜんサイト:労働災害事例)
寒さが厳しくなるこの時期に多い「ヒヤリハット」です。
状況: 屋外の高所作業台で工具を使って作業中、寒さで指先の感覚が鈍くなり、持っていたスパナを落としてしまった。直下に人はいなかったが、あわや重大事故になるところだった。
教訓: 冬場の屋外作業では、手先の感覚が麻痺し、握力が低下します。
対策: 防寒手袋(作業性を損なわない薄手で暖かいもの)を着用する。工具には落下防止ストラップを必ず付ける。
状況: 寒い屋外から暖かい屋内に入った瞬間、保護メガネが一気に曇り、足元にあった台車に気づかず激突しそうになった。
教訓: 気温差によるレンズの曇りは、一瞬で視界を奪います。
対策: 防曇加工された保護メガネを使用するか、曇り止めスプレーを塗布する。屋内に入る際は一旦立ち止まり、曇りが取れるのを待つ。
(参照元:職場のあんぜんサイト:ヒヤリ・ハット事例集)
新しい年を無災害で過ごすために、1月は「リスタート」と「寒さ対策」の2本柱で取り組みましょう。
人間も機械も、急にはトップスピードで動けません。
ラジオ体操の実施: 作業前にラジオ体操等で体を温め、硬くなった筋肉をほぐしましょう。転倒防止にも効果的です。
「基本動作」の唱和: 指差呼称(指差し確認)など、基本的な安全動作を意識的に大きな声で行い、脳を仕事モードに切り替えてください。
寒暖差は体に大きな負担をかけ、脳・心臓疾患のリスクを高めます。
温度差の解消: 更衣室やトイレ、休憩所などは暖房を入れ、作業現場との温度差を減らしましょう。
服装の調整: 「重ね着(レイヤリング)」で体温調節をしやすくします。特に首、手首、足首の「3つの首」を冷やさないことが重要です。
危険箇所の「見える化」: 凍結しやすい場所(日陰、鉄板の上、タイルの上)にカラーコーンや看板を設置する。
歩き方の工夫: 雪道や凍結路面では、歩幅を小さくし、足の裏全体をつけて歩く「ペンギン歩き」を推奨します。ポケットハンドは厳禁です。
(参照元:厚生労働省 冬季の労働災害防止)
令和7年度 冬期労働災害防止運動(継続中)
12月から引き続き、2月末まで各地で展開されています。特に降雪地域では重点的なパトロールが実施されています。
URL: 厚生労働省 各地労働局ニュース
STOP!転倒災害プロジェクト(特設サイト)
転倒災害防止のためのチェックリストや、危険予知トレーニング(KYT)シートが無料でダウンロードできます。
URL: 職場のあんぜんサイト 転倒災害防止
『労働災害情報メールマガジン』2026年1月号をご覧いただき、誠にありがとうございます。
新しい年が始まりました。「一年の計は元旦にあり」と言いますが、安全衛生においても、年の初めに「今年は絶対に怪我をしない・させない」と決意を新たにすることが大切です。
特に1月は、心も体もまだ本調子ではないことが多いものです。「焦らず、ゆっくり、確実に」。これを合言葉に、同僚同士で声を掛け合いながら業務を進めていただければと思います。
本年も、株式会社扶双および「手袋のソムリエ」は、皆様の現場の安全を全力でサポートしてまいります。
皆様にとって、2026年が健康で安全な、素晴らしい一年となりますように。
編集・発行: 株式会社扶双 手袋のソムリエ 労働災害情報メールマガジン編集部
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