いつも手袋のことばかり考えている
あなたの手袋のソムリエ のりねえです。
手袋を商っていると貿易と切り離す
ことはできません。
うちも12年前まで無錫に現地法人を
かまえて、手袋を生産していました。
年間、数十コンテナ輸入をしていました。
数は減りましたが、いまでも
輸入はしています。
そんな時、気になるのは為替です。
中国からの輸入は、ほとんどの場合
相手通貨の中国元でもなく、
こちらの通貨の日本円でもなく
米ドル建てで契約します。
今日はそんな為替について
カンタンにお話をいたします。
▲みなさんもこんな為替チャート
目にすることもあるでしょう。
私は最初に就職したのが
創業60年以上の中国貿易の老舗で
したが、その会社もずっと米ドルで
輸入をしていました。
もちろん中国元は国際通貨
ないので、中国元で輸入を
するということはありません。
一昔前までは、米ドルと中国元は
固定レートで、長い間、1ドルは
8.27元でした。(20数年くらい前)
今は、7.12元です。
変動相場でもなくて、毎日値動き
あるわけではないですが、中国の
発展に伴い、元は価値が上がりました。
為替の問題は、難しくって
円高になると、輸出大国の日本にとって
痛手です。
100万円の車を輸出すると
為替が125円だと、米ドルでは
8,000ドルです。
為替が108円だと、米ドルでは
約9,259ドルです。
アメリカ人にとって高くなってしまう
ので、売れなくなります。
逆だと、どうでしょう?
日本が輸入する場合、中国から1コンテナ
1万ドルの手袋を輸入する場合、
為替が125円の場合、日本での価値は
125万円です。(円安)
為替が108円の場合、日本での価値は
108万円です。(円高)
ずいぶん価格が違いますよね。
こうなると輸入業者さんは、円高だと
助かる。でも、輸出関連企業が多いから
景気は冷え込みます。
そうすると製造現場で売れないから
為替の恩恵を価格に転嫁して
デフレに傾きます。これは、まずい。
売れないから安くする、さらに
景気が悪いので、やっぱり売れず
安くなる。
すると経営を圧迫して、円高倒産
する会社が出てくる。
円安の時に商品が高くなるので
仕入れはすごく厳しいのですが、
円安倒産は、少ないんですね。
為替って、誰にでも同じ条件を
つきつけるので、輸入業者さんも
いよいよ為替が円安だとなると
みなさん迷わず値上げします。
だって、うちだけじゃなく、輸入を
やっているみんな、仕入れ資金が
多く必要になるから。
まあ、腹が決まるというか、
破れかぶれというか。
これで高いって言われても
うちもギリギリなので!
強気なのか弱気なのかわからん
状態になるんですね。
そうやって、為替に翻弄されながら
私たちも日々、世界経済や
ニュースを注目してみています。
今を見て近未来を予測し、
自分でどうやって危機回避をするか
手を打っていくのも私たちの
仕事のひとつなんですね。
今日はちょっとカタイけど
為替と価格と景気の関係を
カンタンにご紹介しました。
夏日にもどってしまいましたが
どうぞご安全に。
たかが手袋、されど手袋。
作業手袋でゼロ災へ!
のりねえ
会社名 | 株式会社 扶双 |
---|---|
住所 | 〒456-0053 愛知県名古屋市熱田区 一番二丁目51番地11号 |
受付時間 | 10:00~17:00 |